アレルギー性鼻炎・花粉症について、どのような病気なのか、発症原因、症状、治療方法を説明します。
アレルギー性鼻炎・花粉症
アレルギー性鼻炎とは
くしゃみは鼻から吸い込んだ物を体が「有害」と判断した際に出ます。くしゃみをする事で体外に有害な物質を排出し、鼻水を出して鼻の中を洗い流し、鼻づまりを起こして体の奥に物質が侵入しないようにする「防御反応」です。
この防御反応が過剰になり、本来身体を守る役割のくしゃみ、鼻水、鼻づまりが逆に日常生活に支障をきたすのが「アレルギー性鼻炎」です。
アレルギー性鼻炎の原因と症状について
アレルギー性鼻炎の原因物質(アレルゲン)は、ダニ、ホコリ、カビ、ペットの毛などのハウスダストとなります。
症状としては、鼻づまり、鼻水、くしゃみなどがあります。
花粉症とは
花粉症は、季節性のアレルギー性鼻炎で、原因がスギ、ヒノキ、イネ、ブタクサなどの花粉がアレルゲン(原因物質)となります。
症状は、アレルギー性鼻炎と同様で、鼻づまり、鼻水、くしゃみなどがあります。
花粉症の原因となる花粉の飛散時期(目安)
- 1月~3月:スギ花粉、ハンノキ
- 3月~6月:ヒノキ、マツ、シラカバ、ヘラオオバコ、ケヤキ
- 7月~10月:ブタクサ、イネ、ヨモギ、ススキ
などがあります。
花粉症の方は、アレルゲンを特定し、花粉が飛散する前に予防・予防治療をすることが必要です。
アレルギー性鼻炎・花粉症の治療方法について
保存的療法
症状に合わせた薬物治療を行い、症状を改善いたします。
ただし、個人差はありますが、薬を使った治療は、眠気を伴う・集中力が低下するなどのディメリットがあり、そのような方には薬をなるべく減らすレーザー治療をご案内しております。
炭酸ガスレーザー治療(下甲介粘膜焼灼術)
下甲介粘膜焼灼術(かびこうかいしょうしゃくじゅつ)は症状を軽減する為に粘膜の反応を減少させる手術方法です。炭酸ガスレーザーを用いて粘膜を浅く焼く手術は20年程前から実用されています。
粘膜は焼かれた後に3、4週間程かけ生え変わり、より腫れにくく、抗原が進入しにくくなります。手術する事で、粘膜下に存在するアレルギー関連の細胞数が減少します。それによりアレルギー症状が軽減され、ハウスダスト・花粉症の症状が手術前の半分以下になったと実感した患者様が約8割という統計が報告されております。
花粉症の患者様は、対象となる花粉が飛散する前にレーザー治療を実施するようにしてください。
手術(外来処置)内容
手術時の麻酔は「局所表面麻酔」です。これはガーゼに痛み止めの薬を染み込ませ、ガーゼを数枚鼻の中に入れる方法です。20分~30分麻酔の効果を待ち、その後手術を行います。手術は、硬性内視鏡で観察しながら、下甲介粘膜表面を奥までしっかり焼灼していきます。手術時間は10分程度です。
手術を実施すると、手術箇所は「軽度のやけど」を負った状態になり、2、3日間は鼻汁が多めにでます。加えて手術後一定期間は「かさぶた」が付いた状態になります。初めの1週間くらいは「ゼラチン状のかさぶた」が付き、2週間目にかさぶたが薄くなり、鼻が良く通るようになります。4週間目には粘膜がほとんど再生します。
手術後の痛みは微弱です。それでも鎮痛剤を求める人は2、3人に1人ぐらいいますが、一度鎮痛剤を投与すれば翌日以降痛みが継続するような事は稀です。
同じく出血も軽度で、2、3日の間、血が鼻水ににじむ程度なので、特別血を止める処置を行う必要もありません。
手術費用(保険適用)
手術費用 | 約8,000円~10,000円 |
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手術の効果と持続期間について
手術の効果については、個人差がありますが、治療を実施された方の約8割が半分以下の症状になったと実感しているという統計が報告されております。
また、手術効果の持続期間ですが、こちらも個人差はありますが、一般的には2年~3年に1度実施するのが有効だと報告されております。
舌下免疫療法(スギ花粉とダニが原因の場合)
スギ花粉やダニが原因でアレルギー性鼻炎の症状が確定診断された方が対象となる治療方法です。治療を行うことで、アレルゲン(原因物質)に対して、免疫をつけ、症状を改善する治療法です(アレルゲン免疫療法)。
アレルゲン免疫療法には、「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」があり、「舌下免疫療法」は自宅で治療薬を服用できるようになったので、より治療を受けやすくなりました。
※12歳以上の方が対象となります。
治療薬の服用について
服用回数は、1日1回で少量から開始して、医師の指示に従い、決められた量を自宅で服用します。
服用期間は、3年以上(推奨)となっております。また、少なくても1ヶ月に1度の通院が必要となります。
スギ花粉、ダニが原因のアレルギー性鼻炎(花粉症)でお悩みの患者様は当院へご相談ください。